見積もりの書き方がわからなフリーランスのエンジニア「お客さんに見積もりくださいって言われたけど、見積もりってどうやって書けば良いんだろう?開発の案件の見積もりってどんな感じで作ると良いのかな?」
フリーランスのエンジニアの人で、見積もりの書き方をよく分かっていない人っていらっしゃいませんか?
僕も時々、フリーランスでエンジニアをしている人から相談されることもあります。
今回は、そんなフリーランス・エンジニアさんを対象に「見積もりの書き方」についてご紹介していきます。
この記事を読むことによって、以下のことが分かるようになります。
- 自分の単価を決めておくこと
- 想定される作業内容を全て洗い出すこと
- 作業内容ごとに、稼働時間を算出すること
僕もWebディレクターをしていた時に、何度も開発案件の見積もりを、システム・エンジニアさんと一緒に作ったことがありました。
今回はその当時に僕がどのように見積もりを作っていたかをご紹介していきます。
それでは、早速みていきましょう!
もくじ
見積もりの書き方の前に:単価を決めておくこと
これを読んで下さっている人で、ご自分の価格を設定していない人っていませんか?
時々、自分の単価を決めていなかったり、クライアントさんの予算感覚に合わせて見積もりを作っている人もいますね。
それはそれで、クライアントさんとの信頼関係もあると思いますので、やり方に正解があるわけではないです。
ですが、個人的には、仮でも良いので、ご自身の価格単価を決めておく事をおすすめします。
その理由は、以下のような理由です。
- 作業ボリュームに応じた見積もりが作りやすい
- 値引きをする場合にも相手に対して特別感を作れる
- 相手に価格の説明がしやすくなる
このように、相互にメリットも発生しますので、やっぱり見積もりを書く際には、価格は設定しておくと良いですよ。
見積もりの書き方:エンジニアの単価設定
まずは、ご自身が1日稼働した際の金額単価や、1ヶ月(20日稼働するとして)の金額単価を設定しておきましょう。
個人ですと、20,000〜60,000くらいの幅があるかもしれませんね。
経験が浅かったりすると20,000/日 前後の人もいるかも知れないですし、もっと低く設定している人もいらっしゃいます。
ある程度、さまざまな経験もあり、色んなプログラミング言語が使える方だと60,000/日以上取れたりもします。
実際に、他の人がどれくらいのレベル感なのかは情報収集して頂くとして、自分の単価を設定しておくというのは、大事なポイントになってきます。
しっかりこの辺りは考えた上で、値付けをしておくと良いですよ。
今は若手エンジニアでも稼げる時代
エンジニアさんの金額単価って、このところ凄く高騰していますよね。
未経験で新卒くらいの年齢の方でも、年収400〜600万円くらい稼ぎ出す人もザラにいるような時代です。
クラウドテックさんやギークスジョブさん経由でお仕事を受けられる方でも、80万〜120万/月くらいの価格感で今は仕事の依頼を受けられるくらいです。
これは地域によっても、また案件の内容によっても変わってきますけど。
とは言え、フリーランスとして今後も仕事を作って行くのであれば、こちらのサービスを登録しておくのも安定的に仕事が作れます。
情報収集かねて、登録しておくと良いかもしれませんね。
≫ ギークスジョブはこちらシステム開発:見積もり項目の洗い出し
単価が決まった後は、実際に見積もりを作る作業ですね。
見積もりの作り方は、以下の点がポイントになってきます。
- 何をするか作業内容を洗い出す
- 必要な機能の洗い出し
少し、詳しく解説していきますね。
システム開発:見積もりの書き方「作業内容を洗い出す」
作業内容の洗い出しなど、あまりやられていない人も多いので、ぜひ参考になればと思います。
例えば、以下のような事ですね。
- テスト環境や本番環境の構築、設定
- 実装テスト、テスト項目の作成など
- クライアントとのやり取りやフィードバックの為のコミュニケーション
このようなことは、実際の実装をする以外にも時間が取られることだと思うので、しっかりと見極めて見積もりとして設定しておいたほうが良いです。
例えば、「開発管理費」という項目を立てて、全体の開発費の15%〜25%などと設定しておいても良いかもしれませんね。
システム開発:見積もりの書き方「機能一覧を作成する」
次に、実際にどのような機能を実装すれば良いかを洗い出す必要がありますよね。
この辺りは普段エンジニアさんもやられていらっしゃる所かもしれません。
例えば、ECサイトなどをゼロから作るときに必要な機能としては、以下のような機能が必要になりますね。
一部ですが、以下に例を上げておきます。
- 会員登録
- ログイン
- ログアウト
- ユーザ情報
- パスワード再発行
- パスワード変更
- 退会
- 購入履歴
- お気に入り一覧
- お気に入り削除
- レビュー機能
- 商品カテゴリ
- お気に入り表示
- カテゴリ商品一覧
- 商品詳細
- 予約・購買申込
- 商品検索
- 所持ポイント確認
- ポイントクリア
- 申し込みキャンセル
- 商品一覧
- 商品登録承認
- 商品変更承認
- 商品削除承認
- 商品詳細
- ポイント利用状況一覧
- ポイント付与
- 商品購入状況
- 商品登録申請
- 商品変更申請
- 商品削除申請
- 在庫状況登録
- ポイント清算請求書発行
- 購買状況一覧
- ポイント利用状況一覧
- ポイント利用可能上限設定
このように、思いつく限りの機能を洗い出して、それぞれにどの程度の稼働時間(工数)が必要かを想定として見積もっておくことが、のちのち大事になってきます。
必要な機能を洗い出して、それぞれの要件を固めるところも任される場合は、要件定義の時間も見積もりに含めておくと良いですよ。
洗い出しをクセにするトレーニング:おすすめ本
このように、開発や制作案件のドキュメント(書類)に「網羅的に全てを洗い出して記載する」ことが求められるので、慣れておく事も重要ですね。
これを、何度もやっていくことで、
- 機能としての抜け漏れがないか、
- 作業内容として漏れていることはないか
という把握がとても充実してきます。
この辺りを得意になるには、僕はいつも「ゼロ秒思考」という本をおすすめしています。
「ゼロ秒思考」でWebディレクターの設計力・段取り力を高める方法という記事でも、ゼロ秒思考のやり方などをご紹介していますので、興味があればぜひ取り組んでみて下さい。
システム開発の「見積もり備考欄」を活用する
見積もりの備考欄も、僕の場合は結構活用したりしていますね。
この備考欄、実は意外と活用されていない人も多いかもしれないです。
活用できるポイントとしては、以下のようなポイントです。
- 機能一覧は別紙「〇〇」を参照と記載しておく
- 概算見積もりの場合は、概算と明記しておく
- 条件などがある場合は、その条件を定義しておく(サポート範囲など)
それぞれ、詳細を解説していきますね。
システム開発の機能一覧は「別紙〇〇を参照」と記載しておく
先ほど上げたような機能一覧を見積もりにブワーっと書くと、大変ですよね。
ですので、見積もりには「一式」とかにしておいて、詳細の機能と金額は別紙としておくと、相手も見積もりが見やすくなります。
また、別紙の機能一覧と稼働する時間や金額を確認できるようにしておくと、親切ですね。
あとでクライアントから、
「この機能はいらないから見積もりから消して!」
とか、
「この機能は必要かもしれないし、もっと複雑になるかもしれないので打ち合わせさせて」
などの要望もきたりします。
お互いの確認やイメージの擦り合わせにもなりますから、このような詳細な見積もりを用意しておくことは、この後のプロジェクトを円滑に進めるためにも大切です。
面倒がらずに、ちゃんと用意しておく事をオススメしますよ。
システム開発の概算見積もりは「概算」と明記する
「とりあえずでいいから、見積もりください」と言われて、パパッと作らないといけない時って、ありますよね。
そういう時は、見積もりのタイトルや備考欄に「概算」と記載しておくようにしましょう。
また、備考欄には、詳細な要件が決まった時に再度見積もりし直すといったことも記載しておくと、相手に伝わりますね。
この点を明記しないて、要望や要件が増えてきた時に、のちのち請求ができないというトラブルも多いです。
自分がどのようなつもりで見積もりを書いたかを相手にもわかってもらう為にも、この辺りはハッキリさせておいた方が良いですよ。
条件などがある場合はその条件を定義しておく(サポート範囲など)
上記以外にも、見積もりを作った前提条件などがあったら記載しておくと良いですね。
例えば、以下のようなことなどがありますかね。
- 値引きの対象期間は○月〜△月の間
- 請求は納品月の末日
- サポートブラウザはInternet Explorerは10以上を対象とする(※開発じゃないけど)
などなど。
このような点はクライアントとの打ち合わせやMTGの内容などを踏まえて、備忘録としても有効ですので、なるべく記載しておくと良いですね。
また、忘れがちだったりもしますが、発注書を必ずもらっておくのも、トラブルを回避する上では重要なテクニックですよ。
契約書類など、個人でやっているフリーランスの方はあまりもらったりする事も少ないかもしれませんが、発注の意思を明確にした書類やメールなどは、きちんとクライアントからもらっておきましょう。
まとめ
如何でしたでしょうか。
ここまでをまとめると以下のようになります。
- 自分の単価設定を事前に設定しておくこと
- 機能や作業の洗い出しを網羅的にできるようになること
- 見積もりはなるべく詳しく用意をしておくこと
必ずしも、上記が正しい訳ではありませんが、一つの参考例にしてもらえたらと思います。
また、今回ご紹介した記事や関連サイト、書籍なども改めて以下にまとめておきます。
フリーランス向けのサイト
おすすめ書籍
関連記事
それでは、今回はこの辺で。