マネジメント

人か利益か?東洋風リーダーシップと西洋風リーダーシップ

以前勤めていた会社でこんな人がいました。

とにかくイケイケなコンサルティング部の部長。

そんなに頭がキレキレという印象はないんですよね。

ただ、研修などで講師として前に立たせたら、話は魅力的だし、相手との距離感を縮めるのがうまいコミュニケーションをとる人でした。

クライアントからの評価も高い。

そして、スポーツマンだったりもするので、自分を追い込んで目標に向かう姿勢も圧倒的でした。

ただ、部下や営業に対してはオラオラです。

自分も一生懸命になって日々を生きているから、人に対しても同じスタンスを求めるのでしょうか。

一方で、僕がよく好んで話をしたのは、どちらかというと人生観や人との対話などを大切にするタイプ。

この違いって何だろうなとずっと考えていて、先日少し答えのようなものを見つけました。

それが、

「東洋風のリーダーシップと西洋風のリーダーシップ」

です。

こういう定義が果たして世の中にあるかはわかりませんが、僕なりの持論をここでは展開してみたいと思います。

東洋風リーダーシップ

東洋風のリーダーシップとはなにか。

僕なりの定義でいきますね。

それは、

「相手の人生や生き方、あるいは死生観や将来に対して、共感や深い考察を持ってその人と向き合うリーダーシップ」

と考えています。

ちょっと長いですかね。

例えば、

  • この人はこの仕事を与えることでどんな成長を遂げるか
  • こういう思想を持ってこの人は生きていて仕事を大事にしている
  • 成果も大事だが、1人の人間として大事な価値観を持っている

というような事を相手に対して考えてくれるリーダーシップを、僕はここでは「東洋風のリーダーシップ」と定義してみたいと思います。

西洋風リーダーシップ

一方で、西洋風のリーダーシップとはなにか。

ここでも、僕なりの勝手な定義でいきますよ。

それは、

「成果を出すために結果に対して論理的にあるいは合理的に試行錯誤を繰り返させて、求める成果を他者を通じて出させるリーダーシップ」

という風に考えています。

例えば、

  • それをする事でいくらの利益になるのか
  • 何を求める成果として考えて行動しているのか
  • どんな事態であっても、成果を出すために何とかしているのか

というような事を相手に対して求めるリーダーシップのスタイルを「西洋風リーダーシップ」とここでは定義したいと思います。

日本人は実は東洋風のリーダーシップが好き?

これは僕の好みが90%くらいあるかもしれませんが、日本人はどちらかというと東洋風のリーダーシップを好むのではないかな?と思っています。

だって、日本人は東洋人だもん。

って、ツッコミが入りそうな気がしますが。

ただ、コンサルティングファームや大手企業ではどちらかというと西洋風のリーダーシップを発揮できるような人材が多く採用されたり、登用されたりしているのではないかと考えています。

もちろん、業種や業態によっては成果重視の西洋風リーダーシップの発揮が求められる企業も多いかもしれません。

リクルートなんかも、そうですよね。

でも、昔の日本企業のマネジャーなどの話を聞いていると、部下の将来や与える機会の意義なども上長が一緒に考えてくれていた、いわゆる「家族型経営」よかった面が今では失われてきているのだろうなと感じます。

おそらくそれは、「家族型経営の弊害」が原因の一つになっているのかと考えます。

つまり、終身雇用であったり、成果に結びつかない不合理な組織マネジメントであったり、利益に結びつかないムダな行動であったり。

これらを排除する上でも、東洋風リーダーシップよりも西洋風のリーダーシップが浸透してきたのではないでしょうか。

ビジネス全体はアメリカ式のビジネススタイルに染まった90年代〜2000年代

このような状態になったのは、おそらく90年代からではないかと考えています。

つまり、バブルが崩壊し、人事制度も年功序列から成果主義へと移行をし始めたのが90年代ですよね。

そして、2000年代にはITバブルも始まり、どんどん日本企業であってもアメリカ式のビジネススタイルというのが浸透してきました。

それに合わせて、西洋風のリーダーシップというのも浸透してきているのだと思います。

そして、僕らは今人口減少時代と労働力不足の課題先進国と言われる時代に突入しました。

これからの日本は再び東洋風

人口減少時代と労働力不足の時代に突入し、僕らは再び東洋風のリーダーシップを求める時代がきたのではないかと考えています。

何故ならば、現在の若い世代の方々は、成果を求められる大人の末路を見ているわけです。

過労で亡くなられる人もいます。

その上で働き方を変えないといけないとも社会は声高に言い始めています。

そして、それまでの自分たちは比較的欲しいものは手に入る時代を過ごしてきているわけです。

つまり、頑張る理由がすぐには思いつかないのかもしれませんね。

一説には、「乾けない世代」とも言われていますが。

そのような人たちが働く上で何を大事な価値基準に置いているか。

それは、「誰と働くか」です。

この「誰と働くか」についてはまた別の記事でも書こうと思いますが、成果を出すというよりも人を軸とした就業選択というのが活発化してきている時代でもあります。

この人軸の働き方というのが、再び東洋風の考え方や価値観を重んじる時代へと導いていくのではないかと考察をしています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

コミュニティーが重んじられたり、価値観が多様な時代へと突入する日本の社会にとって、この東洋風のリーダーシップというのは再び見直されるのではないかなと考えます。

 

いや、僕が西洋風のリーダーシップスタイルを発揮する人が、苦手とか、決してそういう話ではないことだけは書いておこうと思います。

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