カスタマージャーニーの作り方を知りたい人「カスタマージャーニーってどうやって作れば良いんだろう?作り方が分かる本とかあるといいんだけど」
カスタマージャーニーって、初めて作る時ってどこから作れば良いかあまり知らないですよね。
そんなカスタマージャーニーの作り方を教えてくれている本があります。
それが、こちらの本です。
マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方
今回は、こちらの本に紹介されているカスタマージャーニーの作り方をベースに、実例を交えてご紹介していけたらと思います。
僕自身も、この本を参考に、美容系ECサイトのカスタマージャーニーを作成したことがありました(事例はコチラ↓)。
(この時は、クライアントに対してわかりやすい表現に置き換えたりもしていますが)このカスタマージャーニーがあることによって、他部署への説明やパートナー企業への依頼事項など、かなりスムーズに行うことが出来ましたね。
今回は、この時作成したカスタマージャーニーを事例に、カスタマージャーニーの作り方をご紹介していきます。
それでは、早速みていきましょう!
もくじ
カスタマージャーニーの作り方のステップ
まずは、カスタマージャーニーをどうやって作っていけば良いかについてご紹介していきます。
ざっくりですが、カスタマージャーニーは、以下のステップで作っていきます。
カスタマージャーニーの作り方のステップ
- 全体行程を策定する
- タッチポイントを設定する
- 施策を策定
- コンテンツを企画する
それでは、上記のステップに沿って、それぞれの具体例や、設定の方法についてご紹介していきますね。
カスタマージャーニーの作り方:全体行程の作り方
だいたい始めにつまづくのが、「全体行程」のところですね。
僕が当時作ったのは、2つの全体行程から成り立っています。
- STEP
- ユーザーストーリー
カスタマージャーニー:STEPの作り方(例)
STEPは、当時のクライアントがわかりやすいと思って記載したものです。
メインはユーザーストーリーの部分ですので、実際に作られる際は、ユーザーストーリーの部分だけでも良いですよ。
(↑STEPの部分)
STEP(例)
- 自分の悩みに関する情報収集
- 商品の情報収集と多角比較
- 商品決定と購入
ユーザーさんの大枠のフローですね。
ユーザーの行動をフェーズに分けているだけなのですが、これを設定することで、ユーザーストーリーも描きやすくなりますね。
カスタマージャーニー:ユーザーストーリーの作り方(例)
ユーザーストーリーの部分が、カスタマージャーニーの全体の行程に当たりますね。
ここから考え始めても良いです。
(↑ユーザーストーリーの部分)
ユーザーストーリー(例)
- 最近〇〇が悩みだ、気になってきた
- 〇〇について調べよう
- ▲▲って商品があるな、詳しくみてみよう
- 他の商品やサイトも見て考えよう
- ▲▲が一番良さそう、早く使ってみたい
- 買おう
購入を目的としたカスタマージャーニーのユーザーストーリーだと、上記のような流れが比較的多いかなと思います。
あるいは、商品をお試しで買わせるとか、無料登録をさせるなどがゴールのユーザーストーリーもあります。
この辺りは、サイトやサービスに応じて、ユーザーストーリーを作成することが必須になってきますね。
カスタマージャーニーの作り方:タッチポイントの作り方
タッチポイントの設定の部分では、具体的には以下のことを作っていきます。
- タッチポイント
- (ユーザーの具体的な)行動
カスタマージャーニー:タッチポイントの作り方(例)
タッチポイントは、ユーザーとの接点のことをさします。
ユーザーが行動をする際に、どのようなところを接点にしているかを考えていきます。
(↑タッチポイントの部分)
タッチポイント(例)
「最近〇〇が悩みだ、気になってきた」
- TV
- YouTube
- つり革
- 街頭モニター
- ニュースサイト
「〇〇について調べよう」
- 想起キーワード
- 想起サイト
- 検索一覧
- 雑誌
「▲▲って商品があるな、詳しくみてみよう」
- ブランドサイト
- キャンペーンLP
- 口コミサイト
- キュレーションサイト
- SNS
- ブログ
- 友人の評判
- 取り扱い店舗
「他の商品やサイトも見て考えよう」
- 競合他社ECサイト
- Amazon
- 楽天
- Yahoo!ショッピング
- LOHACO
- その他ECサイト
- 自社サイト
「▲▲が一番良さそう、早く使ってみたい」
- 商品詳細ページ
- ユーザーレビュー
- 価格表示
- 在庫
- 取り扱い店舗
- 商品到着美
「買おう」
- カート
- 会員登録
こちらでは、各ユーザーストーリーに沿って、どんなタッチポイントがそれぞれにあるかを洗い出しています。
思いつく限りのタッチポイントを出しましょう。
このようにすることで、自社のサイトやサービスがどこでタッチポイントを作ることができるかを視覚化することが出来ますね。
また、どのようなメディアがあるか、他社のサービスではどのようなものがあるかをリスト化しておくと良いですね。
カスタマージャーニー:行動の作り方(例)
行動の部分は、それぞれで具体的にユーザーがどのような行動を起こすかを記載していきます。
(↑ユーザーの具体的な行動)
ユーザーの具体的な行動(例)
「最近〇〇が悩みだ、気になってきた」
- ※なし
「〇〇について調べよう」
- キーワード検索
- 想起サイトの検索
「▲▲って商品があるな、詳しくみてみよう」
- 上記サイトやSNSなどで情報収集
- WEBサイト(@コスメ、スキンケア大学、4meee!、STYLE LAB、by.S)で調べる
- 友人などの話を聞く
- 取り扱っていそうな店舗へ行き、ビューティーアドバイザーと会話
「他の商品やサイトも見て考えよう」
- 普段使い慣れているサイトから取り扱っているサイトがあるかを調べる
- 価格比較やユーザーの口コミなどを調べる
「▲▲が一番良さそう、早く使ってみたい」
- インテリアとしてのデザイン性を見る
- 価格の確認
- ポイント利用、値引き
- 在庫と到着日などを確認
- レビューチェック
- お気に入り登録
- 会員登録やSNSのフォロー・友達登録なども行う
「買おう」
- 数量・色選択
- 新規会員登録
- 配送日の指定・確認
- カード登録
- 購入確定
こちらでは、各ユーザーストーリーに沿って、ユーザーが実際にどんな行動を起こすかを洗い出しています。
ここを洗い出しておく事で、例えば競合とどのように差別化ができるか、客に、よりリピートやファンになってくれるきっかけとなる行動を生み出せるかを後ほど検討できるようになりますね。
カスタマージャーニーの作り方:施策の策定
ここからが、実際に自分たちのサイトの運営やコンテンツでどのようなことをしていくかの施策、あるいは企画を考える部分になります。
ここでは、以下のことを検討します。
- ユーザー獲得施策
- ユーザー獲得における課題
- KPIの設定
カスタマージャーニー:ユーザー獲得施策の作り方(例)
こちらは、ユーザーに対してどのようなアプローチが可能かをリスト化しています。
(↑ユーザー獲得施策)
ユーザー獲得施策(例)
「最近〇〇が悩みだ、気になってきた」
- TV広告
- 動画メディア広告
- 街頭広告
- DM
- アフィリエイト
- インフィード広告
「〇〇について調べよう」
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- DSP
- SEO
「▲▲って商品があるな、詳しくみてみよう」
- リターゲティング
- インフィード広告
- ディスプレイ広告
- facebook広告
- Instagram広告
- オウンドメディア
「他の商品やサイトも見て考えよう」
- リターゲティング広告
- DSP
- ユーザーレビュー
「▲▲が一番良さそう、早く使ってみたい」
- 会員登録クーポン
- メルマガ配信
- SNSフォロー
- LINEお友達登録
「買おう」
- リターゲティング広告
- サンクスメール
- SNSフォロー
- LINEお友達登録
例えば、前半部分ではメディアとしての施策が考えられますし、SNSのフォロワーを獲得するなどの施策も考えられますね。
一般的な手法も含めて、どのようにしてユーザーを獲得していけるか、接点が持てるか、アプローチしていけるか、など、あらゆる手段を検討する必要がありますね。
カスタマージャーニー:ユーザー獲得における課題(例)
また、ユーザーを獲得していく上での課題なども想定しておきましょう。
(↑ユーザー獲得における課題)
ユーザー獲得における課題(例)
「最近〇〇が悩みだ、気になってきた」
- ユーザーがよく見る動画メディアの検討
- アフィリエイトサイト
「〇〇について調べよう」
- キーワード検討
- 出稿先メディア検討
- SEO対策
「▲▲って商品があるな、詳しくみてみよう」
- 出稿メディア検討
- 出稿SNS検討
- オウンドメディアからの流入増加のコンテンツ作成
「他の商品やサイトも見て考えよう」
- ユーザーレビュー
- 商品訴求コンテンツ施策
「▲▲が一番良さそう、早く使ってみたい」
- 会員ロイヤリティ向上の施策
- 画像・価格・コンテンツ・配送サービスなどの魅力UP
「買おう」
- 登録負荷の軽減
社内的なリソースの課題や、現状サイトの課題などもこちらに含まれてきます。
また、今後どのようなことを検討しなければならないかも取りまとめておくと良いですね。
カスタマージャーニー:KPIの設定
KPIの設定については、何を指標とするかの設定を行います。
(↑KPIの設定)
KPIの設定(例)
「最近〇〇が悩みだ、気になってきた」
- 新規ユーザー訪問数
「〇〇について調べよう」
- インプレッション
- 新規ユーザー訪問数
「▲▲って商品があるな、詳しくみてみよう」
- 新規ユーザー訪問数
- 新規ユーザー獲得数
- ROAS/ROI
「他の商品やサイトも見て考えよう」
- 新規ユーザー獲得数
- 離脱率
「▲▲が一番良さそう、早く使ってみたい」
- 離脱率
- 会員登録数
- ブロック率など
「買おう」
- ROAS/ROI
- CVR
- 新規ユーザー売上額
ここでは、どの程度の数値目標を狙うかまでは記載していませんが、指標として何が目標となるかを明確にしておきましょう。
例えば「買おう」の部分はわかりやすいと思いますが、実際のサイト上でのCVR(コンバージョン率)や売上など、指標の設定は共通のイメージを持つためにも設定すると良いですね。
カスタマージャーニーの作り方:コンテンツの企画
ここまで出来上がれば、あとは課題を解決するためのソリューションとしてのコンテンツを企画します。
例えば、以下のような感じです。
コンテンツの企画(例)
- 商品詳細ページでは〇〇のような情報を掲載する
- オウンドメディアでは△△の魅力を伝える記事を作成してサイトへの流入を図る
- リスティングのキーワードを選定してサイトへの流入が作れるランディングページを用意する
これらの企画をした上で、具体的なKPIの数値目標を立てて、運用していきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
カスタマージャーニーを作る上では、ここまで見てきたことを具体的に洗い出したり、チームで議論しながら進めていくことが多いです。
ぜひ、これからサービスを始める方や、Webサイト全体でのアプローチを考えていく際の参考にして頂ければ嬉しいです。
また、これらを進めていくにあたっては、実際のWebサイトの制作業務や全体ディレクション業務なども発生してきます。
そういう場合は、【決定版】Webディレクターとしてスキルアップする方法【まとめ】などでプロジェクト全体のディレクションのスキルについてご紹介していますので、ぜひ参考にして下さい。
それでは、今回はこの辺で。