デジタルマーケターとして仕事をしていると、よくシステム開発の相談も受けるんだよな〜。今までは断っていたけど、システム開発のプロジェクトをしっかり進めるにはどうすれば良いんだろう?
今回は、このような悩みについて解説していきます。
はじめに言っておきますと、この段階で安易にシステム開発の案件を受けてしまうとプロジェクトが上手くいかないケースが多いです。
大手企業の開発案件がよくトラブルになるのは、ここに原因がありますね。
この記事を読むと、以下のことが分かるようになります。
- デジタルマーケターがシステム開発のプロジェクトを進めると危うい理由
- チームを率いるにはシステム開発の共通言語を持つべき理由
- デジタルマーケターがシステム開発を理解すると最強なワケ
それでは、早速見ていきましょう。
もくじ
デジタルマーケターがシステム開発プロジェクトを企画すると上手くいかない理由

デジタルマーケティングを仕事としている人って、ここ数年でグッと増えたような気がしています。
大手企業でプロモーションを担当していたり、大手代理店でデジタルマーケティングを仕事としている人が多くなったんでしょうね。
クライアント企業も、自社のECサイトやWEBプロモーションなど、デジタル領域での集客やアプローチというのが欠かせなくなってきています。
いわゆる、「デジタル領域のコンサルティングをデジタルマーケターが行う」ケースが増えてきたのだと思います。
そのようなクライアント持つデジタルマーケターに、「システム開発やサービス開発の相談」を持ちかけるというシチュエーションも多く発生してきているのではないでしょうか。
ではなぜ、クライアントはデジタルマーケターにこのような相談を持ちかけると思いますか?
その答えは、
「ビジネスのコミュニケーションが取りやすく、自分達の目標や課題を理解してくれているから」
です。
このように信頼してくれているからこそ、相談や依頼のしやすいマーケターに話を持ちかけるワケです(仕事をしてて一番やりがいがありますね)。
しかし、これが落とし穴になることも多々あります。
なぜなら、デジタルマーケターの専門性と、システム開発の専門性は全く異なるからです。
こう読んでみると、当たり前だと思うかもしれません。
ですが、実はクライアントはこの事を理解していないケースも多いということを理解しておくべきでしょう。
なぜなら、クライアントはデジタル領域のコンサルティングをデジタルマーケターに依頼をしていると認識しているからです。
また、デジタルマーケターも、出来上がるシステムのイメージを持っていたりしますので、このようなプロジェクトを引き受けてしまうのです。
この辺りについてもう少し詳しく見ていきましょう。
デジタルマーケターが企画で設計するのは「コンセプト設計」
デジタルマーケターが新しいサービスやシステムの企画をするとき、当然しっかりと調査したり周りから情報を集めた上でクライアントへ提案します。
また、世の中のトレンドにも明るいため、時代感や方向性というのも間違っていないケースの方が多いでです。
例えば、「Amazonがこういう仕掛けをしてきている」とか、「メルカリにこういう技術が実装されている」など。
それらの情報を組み合わせてデジタルマーケターも企画を組み立て、マーケティングのアプローチからサービスやシステムの開発案まで企画をします。
「他社で実現できているシステムなので、自分の提案にも盛り込んでも実現させたい」と思いますよね。
その企画提案の内容をクライアントも理解し、予算を取ります。
このようにして実際にプロジェクトが発足していきます。
ですが、デジタルマーケターが考えたものはあくまでも「コンセプト設計」としての企画であり、システム開発の「具体的な設計」では無いワケです。
デジタルマーケターが踏み込めないシステム開発の「詳細設計」
このようにして企画が通り、デジタルマーケターの下にプロジェクトメンバーが集まってきます。
クライアントがシステム開発のメンバーを付けてくれる場合もあれば、デジタルマーケター自身がシステム開発のチームを探すこともあるでしょう。
集まったシステム開発チームに、企画意図を伝え、開発するシステムについて話します。
ただ、そこで問題となるのが具体的な機能要件であったり、システム要件が固まっていないということです。
つまり、具体的な詳細設計までは詰め切れないというデジタルマーケターの弱みが出てしまいます。
詳細な要件が固まっていない、あるいはある程度の所まで進んでいなければ、システム開発チームもどのようにそのシステムを構築すれば良いか、検討するところから業務が始まります。
そして、その検討した内容をデジタルマーケターに確認しようとします。
一方で、デジタルマーケターの方は、実装方法などについては専門外ですので、システム開発チームにそれを一任したいという思いもあります。
この辺りから、チームとしてのまとまりが作りにくくなっていくのです。
システム開発が失敗すると責任を負わされやすいデジタルマーケター

これまで見てきたような状態から、開発のプロジェクトはスタートしていきます。
序盤から不穏な空気を見せることもシステム開発の案件には多いです。。。
その一因となるのが、プロジェクトを束ねる人間が詳細設計をできないデジタルマーケターやコンサルタントであるということです。
システム開発のメンバーから信頼が得にくいデジタルマーケター
何が根本的な原因かというと、共通言語が無いというのがもっとも大きな点だと言えます。
デジタルマーケターはマーケティングという「モノやサービスを広めること」を専門としている一方で、システム開発のエンジニアやSEは、「モノを作るエンジニアリング」を専門としており、この両者の間には大きな隔たりが存在します。
このようなチームで、お互いの共通言語がない状態でプロジェクトが進むと、自然とコミュニケーションが薄れていてしまいます。
システム開発を担当するSEやエンジニアが仕様についてデジタルマーケターに質問を投げかけても、システム開発の知識が薄いデジタルマーケターは解答に困ります。
そして、やり取りがどんどん「丸投げ」に近い状態へとなっていくのです。
デジタルマーケターとしては「任せている」つもりでも、受け取る側はそのようにはとらえず、チームとしても壁ができていってしまいます。
コミュニケーションが取りやすいデジタルマーケターが狙われるリスク
プロジェクトの進行具合が思わしくない場合、クライアントの不満の矛先はデジタルマーケターに向かうことも多くあります。
その理由は、システム開発のメンバーよりもコミュニケーションが取りやすいからです。
ま、ぶっちゃけ色々と言いやすいんですよね。
クライアント側も、システムの話になると途端に仕組みが複雑で用語も難しいと感じたり、毛嫌いをする人もいますので、話しやすい相手とコミュニケーションを取ろうとします。
このクライアントのストレスをデジタルマーケターが一手に引き受けることになってしまうんですよね。
それがいつしか、責任がデジタルマーケター側にあるという認識にすり替わり、クレームが発生してしまうのです。
デジタルマーケターがシステム開発を学ぶと最強なワケ

いかがでしょう?
ずいぶんとネガティブな事ばかりを書いてしまいましたが、このような話は「現場あるある」ですので、知っておいても良いと思います。
エンジニアの世界ではよくある話しかも知れませんが、発注するクライアントやマーケターの方は、このような話しはあまり耳にすることも少ないでしょうね。
この「現場あるある」のような状態を避けられるデジタルマーケターは、意外と少ないと思います。
逆にいうと、だからこそ自分の価値を高めるチャンスでもあると思うのです。
「モノを作って届けられる」ところをトータルで任せられる
デジタルマーケターがシステム開発について理解をしていて、SEやエンジニアの目線でプロジェクトマネジメントをすることができれば、チームのコミュニケーションもプロジェクトも円滑に進めることが可能になります。
実際にプログラミングのコードをエンジニアと同じように書けるようかななろうとは言いません。
活用する技術の詳細やリスクの理解、必要な機能の洗い出し、要件を定義するところまでを一緒にできるようになれば、プロジェクトマネジャーとして役割も果たせるでしょう。
ましてや、元々はデジタルマーケターとしての専門性もあるので、得意な領域を広げられると思います。
「プロジェクトでサービスを開発し、そのサービスを1番理解している人がマーケターとしてユーザーを集められる。」
上記のような人がいれば、クライアントもその人にはずっと依頼したいと思いますよね?
個人的には、このような人がかなり最強のポジションを取れると思っています。
MBAのカリキュラムにもシステム開発が含まれてきている
MBAで有名なグロービスさんなども、カリキュラムの中にプログラミングやシステム開発のカリキュラムが組まれてきています。
民間の大学院も「ビジネスとシステムの両方を学ぶ必要がある」と認識して、そのような人材を育てるためにカリキュラムに取り入れているのでしょう。
ちなみに、人工知能やレコメンドシステムの開発なども教えているようですね。
さすがMBAと言ったところですね。
各分野の現場の専門家を集めて講義をしたり、自分たちでディスカッションしたりして能力を高めていっているわけですから、このような人たちがこれからマーケットを牽引していったりするのでしょうね。
デジタルマーケターがシステム開発を学ぶおすすめのコース
では実際にデジタルマーケターがシステム開発をどのように学んでいけばいいかについて解説をしていきます。
答えは単純で、自分でシステム開発をやってみるというのが1番シンプルな答えだと思います。
何かのチュートリアルでも良いですし、実際に自分でECサイトなどを構築してみて、オペレーションやマーケティングをしてみるというのが最も良い経験値となるのではないかと思います。
ただ、順序よく体系立てて学ばないと非効率になりますよね。
僕がいつもこのサイトでおすすめしているのはUdemyというオンライン動画教育サービスを利用してみる方法です。
UdemyはWEBサービス開発のコースから人工知能のコースまで、多岐にわたって豊富なコースが用意されています。
価格も本来は15,000円以上のモノもありますが、だいたい頻繁にセールを行っていて80%OFFなどのタイミングで購入するのが良いですね。
WEBのシステム開発ですと、【世界で30万人が受講】フルスタック・Webエンジニア講座というコースがUdemyの中でも定評がありベストセラーになっています※タイミングによっては24,000円のコースが1,300円で購入可能です。
動画ですので講義も視聴しながら開発を進めることができますが、理屈をもっと知りたくなったり質問などをもっと柔軟に行いたいという方もいると思います。
そのような方は、少しコストは上がりますが、TechAcademy [テックアカデミー]を受講されると良いです。
こちらも様々なコースを受講することが可能ですが、中でもオンラインブートキャンプ WebアプリケーションコースはWEBのシステム開発を網羅的に学習できるコースです。※無料体験もあります。
価格は、4週間129,000円〜16週間279,000円(分割払い可)となっていますが、週2回マンツーマンでのメンタリングや15時〜23時のチャットでのサポートがありますので、短期間で未経験からオリジナルのサービスを開発できるようになります。
そのほか、自分と同じような仲間と学びたいという方は、TECH::CAMP(エンジニアスクール)というスクールに通っても良いでしょう。
入会費が129,000円で、プラス月額12,800円(初月は無料)で、WEB以外にもAIやVRといった技術も学ぶことができます※分割払い可。
対面での指導や学習プランの提案も受けられたり、返金制度もあります。
MBAほどのコストはかからないかも知れませんが、自分の学習スタイルに合わせて検討されてみるのをされてみると良いでしょうね。
デジタル時代に適応していくためには、ここでご紹介したようなスキル開発を行っておくだけでも、これからのキャリアは大きく変化します。
具体的には、以下のような変化ですね。
- 技術トレンドを的確にキャッチできるようになる
- コミュニケーションの幅が広がる
- 人脈と仕事の幅が広がる
変化の波に乗り遅れないためにも、先行して動くことで、これからのキャリア・ステージは大きく変わりますね。
- Udemy :比較的低コストで学べます。自己学習も必須。
- TechAcademy [テックアカデミー]:オンラインで受講するスタイルです。※無料体験あり。
- TECH::CAMP(エンジニアスクール):スクール形式のスタイルです。※返金制度あり。
まとめ
如何でしたでしょうか。
以上をまとめると以下のようになります。
- システム開発の理解を避けて通るとプロジェクトが上手くいかなくなるリスクが高い
- デジタルマーケターこそシステム開発のスキルを身につけるべき
- モノを作ってモノを届けることが出来る希少なポジションが狙える
- 仕事・人脈・コミュニケーションの幅が広がる
少しネガティブな部分をご紹介しましたが、それでも多少の努力で結果は大きく変わっていくはずです。
デジタルマーケティングとシステム開発に明るい人材というのはまだまだ少ないです。
また、これらの専門性を持った人がこれからのデジタル時代を担っていく人材ですので、ぜひチャレンジして、先行ポジションを取ってもらえたらなと思います。
もし、他の分野から未経験でのプログラミングを身につけたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

それでは、今回はこの辺で。